日本酒バル蔵元インタビュー 2025.06.072025.06.10 蔵元の技と想いが詰まった一杯「日本酒バル」では、社員が実際に蔵元を訪問し、直接インタビューを行いました。それぞれの蔵人たちのこだわりや挑戦、そして土地に根差した酒造りのストーリーをご紹介します。 蔵元紹介① 宮崎本店(三重県四日市市) 創業180年の革新蔵ー米の違いが生む味わいの奥行き「人も心。酒も心。」──そう掲げて、宮崎本店はまもなく創業180周年を迎えます。時は弘化3年(1846年)、江戸時代後期から続く歴史を刻みながらも、ただ伝統を守るだけではなく、常に変化を恐れずに挑戦し続けてきた蔵元です。蔵が立つのは、三重県四日市市楠町。鈴鹿山脈からの伏流水に恵まれた土地に、明治時代からの木造の蔵が並びます。現在も大切にメンテナンスを重ねながら、その歴史ある建物の中で、確かな酒造りが行われています。製造部醸造課の岩田さんは笑顔でこう語ってくださいました。「建物も設備も、丁寧に手を入れながら、大切に使わせてもらっています。」 宮崎本店 外観 有名銘柄の裏側にある「つねに新しい挑戦」“宮の雪”、そして甲類焼酎“キンミヤ”──どちらも全国に名の知れたロングセラーブランド。しかし、宮崎本店が真に魅力的なのは、定番にとどまらず、つねに「次の一歩」を模索し続けている姿勢にあります。その象徴が、「同じ造りで、違う米を試す」というユニークなアプローチ。ある日、蔵の中で交わされた「米だけを変えて、飲み比べできないかな?」という興味から生まれた会話が、新たな挑戦のきっかけとなりました。 醸造責任者 浅田さん(左)、醸造課 岩田さん(右) 「山田錦」「雄町」「愛山」──米で広がる、味わいの地図 出来上がったのは、3種類の純米吟醸酒。使用する酵母・精米歩合・仕込み水・醸造工程はすべて同じ。唯一異なるのは、“米の品種”だけ。それぞれの米が持つ個性を、技術で引き出し、雑味なく美しく仕上げる。そんな繊細な仕事に挑んだ蔵人たちの手から生まれたのが──「雄町」のふっくらとした厚みのある旨み「愛山」のやわらかく丸みのある甘み「山田錦」の安定したバランスと透明感どれも味の方向性は違いながら、共通して「凛」とした品の良さを備えた1本に仕上がっています。「米の個性を最大限残しつつ、きれいに仕上げることを心がけました」─ 醸造責任者・浅田さん 日本酒以外のラインナップ 品質確認する醸造課 浅田さん 「語れる一杯」を、ぜひこの機会に老舗だからこそ挑戦できる、宮崎本店の“変わらないために変わり続ける”酒造り。その成果を、『日本酒バル』イベントでは一度に飲み比べていただけます。歴史と技術、そして遊び心が詰まった三本の日本酒を、ぜひご体感ください。 宮崎本店 概要創業:1846年(弘化3年)所在地:三重県四日市市楠町南五味塚972番地TEL:059-397-3111公式サイト 宮崎本店 日本酒ラインナップ 日本酒バルで提供しているお酒宮の雪 純米吟醸 「愛山」愛山は「幻の酒米」・「酒米のダイヤモンド」とも言われ、兵庫県の一部地域でしか栽培されないため入手困難で、最も高価な酒米のひとつ。バランスの取れた上品な旨味とフルーティーな香りをお楽しみいただけます。 宮の雪 純米吟醸 「雄町」岡山県産米の雄町を50%まで丹念に精米。口に含んだ瞬間、濃醇な旨みと吟醸香、黄色いりんご・洋ナシのような上品な甘みが広がり、雄町の特徴を活かした味の膨らみあるお酒。 キンミヤ焼酎 国内甲類焼酎の中でも最高峰の品質を誇る亀甲宮焼酎、通称「キンミヤ」。仕込水である清く、柔らかな地元天然水は、ミネラル分がほとんど入っていないため、ピュアですっきりとした味わいの中にもほのかな甘みとまろやかな舌触りを演出します。ブレンドされる素材の美味しさをぐっと引き立てるため、どのような飲み方でもご満足いただける美味しさです。サンピースウイスキー日本酒に似たフルーティな香りが特徴で味わいは、ほのかに甘さが感じられ、アルコール特有の辛みは少なく、後からほろ苦さが感じられる飲みやすい仕上がりです。水割りはもちろんハイボールでお楽しみいただけます。 蔵元紹介② 福和蔵(三重県多気町) 地元の未来とともに醸す。三十三蔵で最も新しい蔵元三重県多気町──豊かな森と山々、澄んだ空気と清らかな水に囲まれた地に、2021年、新たな蔵元が誕生しました。その名は「福和蔵(ふくわぐら)」。三重県の新名所「VISON」内に立地する福和蔵は、県内三十三蔵の中でも最も新しく、そして最も注目を集めている挑戦的な蔵元です。もともとは、伊賀市の「福井酒造場」の志を受け継ぎ、「地元の酒を地元でつなぐ」という想いのもと、井村屋グループが新たに設立。歴史のバトンを未来へと渡すべく、地域密着型の酒造りをスタートさせました。 直売所 外観 「地の米と地の水」。テロワールをそのまま味にする福和蔵の酒造りの中核にあるのは、「三重の風土を、酒で表現する」という考え方です。使用する酒米は、地元・多気町内の5軒の契約農家が栽培する「神の穂」などを使用。そして仕込み水は、香肌峡(かはだきょう)の豊富なミネラルを含んだ天然の硬水。それらを最新設備で丁寧に仕込み、福和蔵オリジナルの純米酒が生まれています。蔵の内部は、訪れると驚くほど清潔で静か。徹底された温度・湿度管理のもと、毎日、わずかな違いも逃さず酒の表情を見守る蔵人たちの真剣なまなざしがあります。 酒造部 安田さん(左)、三重営業所 池田さん(右) 見据えるのは、「また戻ってきてもらえる酒」新しい蔵でありながらも、福和蔵の目指すのは奇抜さではなく、「また飲みたくなる」「帰ってきたくなる」酒。派手さを追わず、やさしくて飲み疲れしない、ふんわりと体になじむような旨みと香りを大切にしています。「一度飲んでいただき、いろいろなお酒を巡った上で、また福和蔵に戻ってきてもらえたら嬉しいです」─ 酒造部・安田さん蔵としての歴史はまだ浅いかもしれませんが、その分しがらみがなく、柔軟な発想で“いま”の食やライフスタイルにフィットする日本酒を模索している──それが福和蔵の魅力です。 商品ラインナップ 水源の香肌峡① あなたの「最初の一杯」になるかもしれない これまであまり日本酒を飲んでこなかった方にも、福和蔵の酒はおすすめです。クセがなく、それでいて飲みごたえのある旨み。料理の味を引き立て、最後の一滴まで気持ちよく飲み切れる設計がなされています。『日本酒バル』では、そんな福和蔵の1本をグラスで手軽にお楽しみいただけます。この出会いが、あなたにとって“最初の一杯”になるかもしれません。 直売店店内 直売所ファサード 取水地 福和蔵 概要創業:2021年(令和3年)所在地:三重県多気郡多気町ヴィソン672番1食祭4TEL:059-397-3111公式サイト 日本酒バルで提供しているお酒福和蔵 純米三重県内にて開発された酒米・神の穗と香肌渓で採水した硬水、三重県酵母で醸した三重の魅力を詰め込んだ逸品。米本来の旨味とふくよかな香りが感じられる口当たりやわらかな仕上がりです。 「日本酒バル」イベントについて宮崎本店と福和蔵、それぞれの個性が光る日本酒を、一度に飲み比べできる特別な機会。 歴史と技術、そして地域への想いが詰まった「語れる一杯」を、ぜひこの機会にご体感ください。■イベント概要開催期間:2025年7月1日(火)~8月8日(金)営業時間:17:00~21:00(ラストオーダー20:30)※飲み放題の最終受付は19:30店 舗:ホテルグリーンパーク津2階「津みやび」、ホテルグリーンパーク鈴鹿1階「鈴鹿みやび」 予約受付中料金プラン:① 60分飲み放題 1,800円(税込) ② プレミアム飲み放題追加 +500円(税込) ③ グラス1杯 680円(税込)